日体大FIELDS横浜には、なでしこリーグに所属するトップチーム(社会人+大学生)と、サテライトチーム・サテライトBチーム(ともに大学生、一部に高校生)の計3つのチームがあり、主管するホーム戦では、試合当日の運営に関わるほとんどをサテライト・サテライトBチームの選手が行なっています。

さらに昨シーズンからは、試合当日だけでなくクラブの運営にも関わっていくプロジェクトチーム「PJ」が、トップチームの選手も含めて発足。昨シーズンは キックオフパーティ大運動会 の企画・運営、チラシの制作や駅前配布、チラシの制作などを手がけました (参考 :「運営もメンバーの手で」) 。

そして2020シーズンのPJは、ほぼ全員の選手が参加し、より主体的に関わる組織へと進化しつつあります。新しく統括になった新3年生・鷲澤未来(サテライトB・GK)さんに、BLUES事務局の山田さんが聞きました。

統括って?

事務局:昨シーズンは、キャプテンの嶋田さんが統括でしたよね。

鷲澤:はい。今年はより学生主体でやっていこうということで、(社会人選手の嶋田)千秋さんから任命されました。2年生の終わりからやれば2年間できます。千秋さんにフォローしてもらいながら最初の1年間をやってみて、2年目はその経験を生かしながら下の子にも引き継いでいく。そうすれば、学生で運営を回していけるんじゃないか、ということになりました。

事務局: 鷲澤さんはまだ2年。任命されてビビりました?

鷲澤: はい、すぐに「統括 意味」って、検索しました(笑)。組織の中の「統括」というポジションは、上の立場から下を取りまとめ上げる役割だと知って、「なんだか偉そうだな」と思い、自分としてはしっくりきませんでした。千秋さんみたいな存在感もサッカーでの実績もない人間ですし、みんなに指示を出してまわる自信もないので。

ただ、自分が動かないとみんなも動きませんから、いまは自分も一緒にみんなとやっていこうと思って、PJ内の各チームが話し合う場にもできるだけ参加しています。

PJの各チームは?

事務局: PJにはどんなチームがありますか?

鷲澤: ホーム運営、イベント、グッズ、応援、SNS、Youtubeの6チームです。

「ホーム運営チーム」は、ハーフタイムショー、エスコートキッズ、運営ボランティアを主に担当しています。クラブ統括の嘉山さんとも連携しながら、今までショーに出てくださった団体やパフォーマーの皆さんに今年の出演をお願いしたり、過去のエスコートキッズの皆さんにもお声がけしたり、高校の女子サッカー部へ担架やボールパーソンのボランティアをお願いしたりしています。

いま一番忙しく動いているチームです。ただ、試合当日はみんな別の役割がつきますから、企画と本番をうまく連携していかなかなきゃと思っています。

事務局: それは楽しみ。今年はハーフタイムショーでピッチを使っていいスタジアムが多いので。

鷲澤: 「イベントチーム」は、サポーターの皆さんや地域と身近にふれあえるイベントを定期的に行なっていこうとしています。実は今シーズンもキックオフパーティを企画していたんですが、新型コロナウイルスの感染拡大対策で中止になってしまいました。

事務局: 大学側の方針にも沿わなきゃいけないですからね。でも本当に残念。

鷲澤: サポーターの皆さんとミニサッカーゲームでボールを蹴って交流した後、室内でU-18、U15を含めた新体制発表を考えていたんです。今後違うかたちでできたらと思っています。

「グッズチーム」は、いままさに事務局の皆さんとやり取りしていますが、私たち選手のアイデアやデザインを生かしたグッズ開発に取り組んでいます。私も、昨年の試合当日は販売ブースを担当していましたし、今年も引き続き担当なので、いまは一番グッズチームに関わっています。

事務局: 先日の商品企画の打ち合わせにも参加してくれましたね。過去の売れ筋やサポーターの感想などを教えてくれるのでとても助かります。

打ち合わせ風景

鷲澤: 「応援チーム」は、Jリーグなどでおなじみのコールをアレンジした新しい応援歌を考えていて、会場でも歌詞を書いた紙の配布を考えています。

事務局: いいですね。グッズチームで応援グッズもつくっているので、ぜひグッズを使った応援を考えて欲しいな。

鷲澤: 「SNSチーム」は、新たにInstagramとTikTokでも情報発信を始めました。とにかくいっぱい発信しようということで、TwitterとInstagramでは誕生日メッセージと開幕カウントダウンを投稿しています。

事務局: 鷲澤さんを紹介する投稿にハッシュタグ「#日体の大御所」「#ハタチとは思えない貫禄」が付いていてウケました(笑)。選手たち同士のいじり方が見えて面白いです。

鷲澤: 身内だからできるいじり方ですよね(笑)。今後は、男子サッカーチームと共同アカウントのFacebookページでももっと発信していく予定です。

そして「Youtubeチーム」。元日から週2回の更新を目標にがんばっています。ポジション別・学年別で登場したり、ゲームやプレゼント企画など、いろいろ考えてくれています。

事務局:FIELDSのクラブ運営にはいろいろな ボランティア がかかわっていますよね。

鷲澤: そうなんです。学生だけでは考えや経験が足りないところがありますから、周りでサポートしてくださる方々の力が必要不可欠です。皆さんとコミュニケーションをとらせていただきながら進めていければと思っています。

事務局:学生時代になでしこリーグの運営に関わるのはすごい経験ですが、大変に感じることも多いですよね。私も学生時代、部活で役職が付いて「なんで私だけ決算処理に追われなきゃいけないの?バイトしたいのに、時間ばっかり取られる」って思ってました(笑)。その時は、その経験が社会に出て役に立つということが見えていなかったんですね。

でも「競技と並行してこんなこともやっていました」と言えたら就職活動でも強みだし、経験は将来必ず生きる!いろいろなことに挑戦するハードルも低くなります。無駄なことは一切ないので、ぜひこれをチャンスと思って、迷ったら周囲にもどんどん聞いて取り組んで欲しいです。BLUES事務局も皆さんのやりたいことの実現をバックアップしていきます。

鷲澤:ありがとうございます。

サッカーとの出会いは?

事務局: サッカーや日体大FIELDS横浜とはどう出会ったんですか?

鷲澤:中3の時になでしこブームが来て、学校にサッカー部ができたんです。私はバスケットボール部にいたんですが、人数が足りなくて試合に出られない状況で。そのとき体育の先生がサッカー部の顧問で、「バスケの練習がない日だけでも来て」と誘われたのが、サッカーとの出会いです。それまでJリーグも見ていなかったですから。

高等部へ進んでからサッカーに絞ったんですが、やっぱり人数が足りなくて試合に出られず(笑)。そんなときに先生から「来年、日体大FIELDS横浜にユースができるよ」と教えていただいて、U15の練習を見に行ったのが最初です。

ゴールキーパーというポジションも、先生から「あなたはキーパーね」と言われてやっていたくらいだったので、ユースで千秋さんと同期のキーパーコーチの方に一から教えていただきました。その方がいなかったら私、たぶん続けていなかったです。

事務局:日体大FIELDS横浜U-18の一期生として導かれた感じですね(笑)。

所属学部のことも少し

事務局: 日体大ではスポーツマネジメント学部で、こちらも一期生ですよね。どうしてこの学部を選んだんですか?

鷲澤:スポーツマネジメント学科とスポーツライフマネジメント学科に分かれていて、私が入ったスポーツライフマネジメント学科は、競技だけなく健康面からもスポーツを指導する、学校や地域で直接人にかかわる人材を育てる学科です。

私はずっと幼稚園の先生になりたいと思っていて、FIELDSのユースに入ってからは日体大の児童スポーツ教育学部について調べていました。そうしたら「ジュニアスポーツ指導員」の資格が取れると知って、取りたいなと思ったんですが、それが取れるのは児童スポーツ教育コースのほうで、幼稚園の先生は幼児教育保育コースで。オープンキャンパスで相談したら「来年からできるスポーツライフマネジメント学科がいいのでは」と教えていただいたんです。

いまは、先生じゃなくても、企業人としても、いろんなかたちで小さい子のスポーツに関われることが分かってきたので、もっと視野を広げていこうと思っています。

事務局:就職活動もそろそろ始まってますます忙しくなると思いますが、FIELDSでの統括としての活躍も期待しています。

鷲澤:ありがとうございます。いまは女子サッカー部としても日体大FIELDS横浜としても、対外試合やイベントを自粛している状況ですが、トップチームはいつ開幕になってもいいように練習に取り組んでいますし、サテライトBが練習を自粛しているので PJもなかなか会えないですが、連絡を取り合って準備を進めています。ファン、サポーターの皆さん、ぜひ開幕を楽しみに待っていてください。

今シーズンも日体大FIELDS横浜と日体大女子サッカー部をよろしくお願いいたします。


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