日体大SMG横浜 オフィシャルサポーターズクラブ

SMGから世界へ!七種競技・大玉華鈴選手インタビュー

2022シーズンから日体大SMG横浜に加入した七種競技の大玉華鈴選手。

昨シーズンは日本体育大学陸上競技部の女子主将を務め、日本選手権では2年連続第2位、インカレでは3年連続優勝と、日体大でしっかりと結果を出してきました。

そして2022年。

3月に大学を卒業し、4月からは日体大SMG横浜のトップパートナーである新富士病院グループに勤務しながら、七種競技でさらなる高みを目指します。

「明るくて、おしゃべりが上手な方です」とクラブ関係者から聞いていましたが、実際にお会いして納得!競技のことやプライベートのこと、そして社会人アスリートとしての今後の展望などを、彼女が普段練習している陸上競技場で聞いてきました。

<目次>
1. 七種競技の魅力
2. 日体大SMG横浜との出会い
3. 山口県萩市出身。休日はお買物
4. 今シーズン、目指すは日本一!

(インタビュー内容は取材当時(2022年2月)のものです)

日本体育大学健志台キャンパス陸上競技場にて

1. 七種競技の魅力

─ 今日はよろしくお願いします!まずは七種競技について教えてください。

大玉:陸上競技の7つの競技を2日間で行なって競技ごとに記録を得点化し、合計得点で競います。1日目が100mハードル、走高跳、砲丸投、200m、2日目が走幅跳、やり投、800mです。

─ 走・跳・投の全ての要素が入っているんですよね。聞いただけでハードそうです(笑)。

大玉:そう思われるんですが、見るのもやるのも魅力的な競技です。一人でも多くの方に知っていただけたらうれしいです。

─ 大玉選手はいつから七種競技を始めたんですか?

大玉:高校からです。混成競技自体は、中学1年で三種競技、2年で四種競技を経験しました。混成競技には五種や十種もありますし、七種でも男子と女子で競技種目が違ったり、室内陸上になるとまた種目が変わったりしますが、これらを総称したのが「混成競技」です。

─ 大玉選手にとっての混成競技の魅力は何ですか?

大玉:始めた当時、私にはずば抜けて得意な種目がありませんでしたが、四種あれば上位で戦えて、結果も残せたんです。100m走は1本走って何秒かで勝負が決まりますが、混成競技は1種目で結果が出なくても次の種目で挽回できる。1日目がだめでも2日目で上位に上がれることもある。全種目終わるまで誰が勝つか分からないところが、混成競技の魅力です。

─ 大玉選手が一番得意な競技は何ですか?

大玉:七種競技では走高跳です。昨年の日本選手権では走高跳の選手として出場し、入賞しました。自己ベストは178cmを持っています。

─ 178cm!?

大玉:私の身長が170cmですから、頭上から8cm上になります(笑)。

─ それは高い!(笑)2日間で7種目をこなすとなると、種目によって強弱はつけるんですか?

大玉:全種目を全力でやらないと勝てないのでそれはないんですが、とにかくスケジュールがタイトなので。試合当日は、5時に起きて7時に会場入り、9時に大会がスタートして終わるのは16時か17時です。アップして試合して、次の試合までの休憩時間に補食をとる、という繰り返しなので、体力を維持するために時間の使い方には気を配っています。

─ 7種目もあると練習メニューも多岐にわたりますね。

大玉:同じ陸上競技でも、長距離と違って私たち短距離は3月から10月までがシーズンです。冬場は体力など基礎的な部分を鍛え、シーズンに入ると種目別の技術練習が中心になります。1日で7種目全部の練習はできないので、コーチとコミュニケーションとりながら1週間単位で練習メニューを組みます。計画を立てておかないと、これもやりたい、あれもやりたい、となって偏りが出てしまうので、念入りに計画します。

─ 大井コーチが全種目をみてるんですか?

大玉:はい、大井コーチは元十種競技の選手で、男子の十種競技と女子の七種競技をすべて見てくださっています。

2. 日体大SMG横浜との出会い

─ 日体大SMG横浜に大玉選手が参加するきっかけは、大井コーチだと聞いていますが。

大玉:そうなんです。大井コーチの娘さんが中学時代、今の日体大SMG横浜U-15の選手だったことから、コーチもSMGのことをよくご存知で、SMGに私のことを話をしてくださったんです。

─ 日体大SMG横浜が総合型地域スポーツクラブを目指すタイミングと合っていたのもよかったですね。いま、陸上選手の進路はどのような状況なんですか?

大玉:コロナ禍に加えて、東京オリンピックの閉幕でスポーツ界が一段落ついた感じもあり、厳しい、というのが実情です。なかなか、陸上がテレビなどで中継されることはありませんし、サッカーのようにリーグがあるわけでもなく、卒業後も選手を続けられる環境は少なく、卒業を機に競技をやめる人も多いです。

─ 卒業後も選手として競技できる人はどのくらいいるんですか?

大玉:長距離よりも短距離のほうが厳しくて、私の同期約100人のうち1割くらいでしょうか。たとえ国内で上位にいる選手でも、世界で通用しないと雇ってもらうのは難しくて、フルタイムで働きながら陸上は趣味で続ける、という人が多いです。

─ 大玉選手は、日体大SMG横浜以外の進路は考えていたんですか?

大玉:私は卒業後も選手を続けたいと思っていましたが、条件面でなかなか契約先が決まらなかったんです。ですから、こういう環境をいただけたことは本当に幸せです。

─ 4月から仕事と競技をどう両立させていくんですか?

大玉:新富士病院グループの鶴川記念病院(東京都町田市)に勤務しながら、平日は日体大で学生と一緒に練習し、土日は試合で遠征します。

─ 新富士病院グループでは社員として働くんですよね。日体大の健志台グランドからはそう遠くないですし、競技にも打ち込めるいい環境をつくっていただけましたね。

大玉:そうなんです。人とコミュニケーションをとるのは好きですし、病院で自分の明るいキャラクターを活かせたらと思っています。また競技でも、果敢に挑むパワフルなプレーをお見せして、病院の皆様にもいい影響を与えられるようにがんばっていきたいです。

─ 仕事に練習にますます忙しくなると思いますが、日体大SMG横浜のサッカーのアスリートコーチもされるんですよね。

大玉:はい、大井コーチと一緒に「走り」の面でクラブにも貢献できればと思っています。

─ それは楽しみ。サッカーチームのファン、サポーターの皆さんもぜひ注目して欲しいですね。

3. 山口県萩市出身。休日はお買物

─ プライベートのことも聞かせてください。休日は出かけたりしますか?

大玉:買物が好きで、美容系のものや服を買いに行きます。陸上をしているときは陸上に全力ですが、遊ぶときもとことん(笑)。おしゃれして出かけます。

─ 今日はノーメイクですが、プライベートで出かけるときはメイクもするんですか?

大玉:はい、がっつりメイクして、髪の毛も下ろします(笑)。

─ 健志台キャンパスの周辺のお店は利用していますか?

大玉:食事で「更科」に行ったりしましたが、学食が中心でした。3年になって授業が減り、ようやく動き回るぞ、というところでコロナ禍になったので。電車で出かけるときは渋谷方面や町田が多いですね。

─ 出身は山口県ですよね?日体大では寮生活だったんですか?

大玉:1年のときは寮で、2年から一人暮らしを始めました。高校では3年間寮生活で、電車も数回しか乗ったことがなくて。こっちへ来てテレビで見ていた”映え”スポットやおいしいカフェに一人で電車に載って行けることに感動しました(笑)。

私は萩市で育ったんですが、中心地ではなかったので本当に田舎で。保育園から中学まで、ずっとクラスメイトが10人しかいなかったんです。友達と遊ぶにも親に車で連れて行ってもらっていたくらいで。

─ 私も田舎育ちですが、大玉さんもかなり(笑)。地元で有名なものと言えば何ですか?

大玉:特産品は夏みかんです。名所では吉田松陰先生の松陰神社や、萩往還です。歴史のあるまちなので、景観を守るために建築物などの高さや色彩に基準があるんです。私が中学で横断幕を出してもらったとき、赤を使っちゃいけなくて小豆色になったことがありました。

─ なるほどー。では横浜ではぜひ赤い横断幕をつくってもらわないとですね。

4. 今シーズン、目指すは日本一!

─ 社会人アスリートとして初めての年になりますが、大会の予定を教えてください。

大玉:国内で一番大きい大会の日本選手権が6月頭に開幕します。日本一を決める大会なので、そこに照準を合わせてしっかり準備します。そして、昨年度のユニバーシアード(FISUワールドユニバーシティゲームズ)が今年の6~7月に延期になり、4月に選考会があります。もう大学生ではないですが参加資格があるので、この国際大会も視野に入れてがんばります。

─ 今年の目標は?

大玉:日本選手権で優勝することです。日本の七種競技ではまだ誰も6000点を超えたことがないので、その最初の選手になるためにも。

4月から新富士病院グループで働かせていただきますが、練習の時間もとらせていただくので、もちろん陸上を楽しむことも大事ですが、結果にもこだわりたいです。環境が変わると記録が停滞するとよく言われますが、1年目からしっかり結果を出して、病院で働いていらっしゃる方々に少しでも元気が与えられたらと思っています。

─ 最後に、周りからは何て呼ばれていますか?

大玉:特にニックネームのようなものはなくて、友達からは普通に「かりん」と呼ばれています。「大玉」は地元でも珍しい苗字で、「大玉華鈴です」と自己紹介するとすぐに覚えていただけるので、そのまま名前で呼ばれることが多いですね。

─ かりんっていい響きですよね。ファンの皆さんから「華鈴ちゃん」と呼ばれるのはどうですか?

大玉:「華鈴」という漢字も含めて、とても気に入っている名前なのでうれしいです。

─ では皆さんに気兼ねなくそう呼んでもらいましょう(笑)。ありがとうございました!


ヘプタスロン(七種競技の英語名)の優勝者は「クイーン・オブ・アスリート」の称号が与えられるそうです。日本一、そして世界へ挑戦する大玉華鈴選手に、BLUESの皆様も熱いご声援をお願いします。

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